元就という男(最終回)[人心掌握編] [毛利元就]

イメージ作りのうまかった元就は、吉田郡山城籠城戦(前回参照)でみせた百姓からの信頼と共に、終世、家臣から信頼を集める努力を怠りませんでした。

最終回の今回は、「そこまでやるか…」という元就の逸話をご紹介したいと思います。

元就晩年の逸話です。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、その場合はご容赦ください。

岩木道忠という家臣が合戦で敵の毒矢を左腿に受けます。ひと戦(いくさ)終わって陣中を見廻っていた元就が道忠をみつけ、事情を聞きます。そして毒矢の毒に苦しんでいると聞くや、元就は何の躊躇(ためらい)いもなく、みずから道忠の傷口にかぶりつき、膿を吸い取ったというのです(『名将言行録』より)。

このころ、すでに元就は中国に覇権を唱える大大名です。しかも、その迅速な処置が功を奏し、道忠は一命をとりとめます。道忠が感涙にむせび、主君へ絶対的な忠誠を誓ったのはいうまでもありません。当然、この話は毛利の家中にとどまらず、他国へも広がったことでしょう。

謀略の限りを尽くしながら、智将と讃えられ、多くの”ちょっといい話”を残した元就。戦国武将の中でも稀有な存在といえるかもしれません。

次回(明日の予定)以降、豊臣秀吉の天下統一戦について考えてみたいと思います。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。